残価設定ローン(クレジット)と通常のローンの主な違いは、車の所有権が持てるかどうかであり、それによって審査や金利が異なります。
※一般に「ローン」と言われる車購入方法は厳密には「ローン」と「クレジット」で異なり、残価設定ローンも実は「クレジット」である
金利のキャンペーンなどで例外はありますが、一般に残価設定クレジットとローンの違いは次のように比較できます。
審査 | 金利(年利) | 所有権 | |
残価設定クレジット | 比較的緩め | 主に3.5%から6% | 無し |
ローン | 比較的厳しめ | 2%代から3%代 | あり |
大まかにみれば、残価設定クレジットは所有権が信販会社にあることと金利が比較的高めであることから審査が緩めです。
対してローンは、車を形式上担保に取られているわけでもなく金利も低めであることから審査が厳しめです。
まずは残価設定クレジットとローンについて、それぞれの違いをなんとなくわかってもらえたでしょうか?
そして、残価設定クレジットとローンの違いを踏まえたうえで、そのメリットとデメリットをみていきたいと思います。
※「認識としてお金を借りるか分割払いをして車を買う=ローン」となっているため、以下より「残価設定クレジット」を「残価設定ローン」で統一
ページの内容
残価設定ローンのおさらい
残価設定ローンとは、主に3年から5年後の車の価値を事前に引いて、残った部分について支払いをする融資で、満期日に車を返却するか、残価分を払って取得するかを選択できます。
そして、車を取得する選択をする場合に、残価に対して再度ローンやクレジット契約を締結するという内容になっています。
先に簡単な結論として、通常のクレジット・ローンと比べると、残価設定ローンは月々の支払い額を抑えることが出来るのが魅力的ですが結局乗り続けるならローンのほうが得といえるでしょう。
残価設定ローンの支払い例
3年後に設定した場合、金利や車の残価などにもよりますが概ね月々の支払いを半分くらいに抑えることが出来ます。
例:295万円の車を残価設定を3年後に行い、金利4.7%・頭金60万円・ボーナス15万円支払いの場合においての差【通常:約45000円/月・残価設定型:約23000円/月】
さらに最近では、ディーラーごとに設定されているローンについて、残価設定クレジットを利用すると低い金利を選択できることが多いです。
これらを踏まえると残価設定ローンは支払い時に有利であることが分かります。
残価設定ローンのメリット
残価設定ローンのメリットは大きく2つあります。
- 月々の支払い額を抑えることができる
- ディーラー指定の残価設定クレジット加入で金利を低くできる
とにかく月々の支払いを、安くできることは魅力的でしょう。
それに付随して金利も安くなる場合が多いです。
なぜ残価設定ローンが有利に出来るかといえば、それは新車を販売して顧客を管理するディーラーにとって都合がよいからです。
ディーラーとしては車保有者の管理をしたいという思惑が有り、残クレは契約上満期時に車を手放したり、または車検や整備もセットに出来ますから、その分金利などで有利になることが多いのです。
このように言い方尽くめの残価設定ローンですが当然デメリットもあります。
残価設定ローンのデメリット
残価設定ローンのデメリットは次の3つです。
- 総支払い額が実は割高
- 契約満期時に車をいくらで買い取るか不確定
- 契約条件が複雑
総支払い額を考えると割高となります。
そのため、長く乗るならローンを組んだほうがお得です。
また売るときにいくらで売れるのか。
そして走行距離などの契約条件が細かいのもデメリットとなります。
メリットの話でも触れましたが、残価設定クレジットは提供するディーラーに有利なものですから、その面倒がそのままデメリットにもなります。
契約が車での生活を縛っているわけで、勝手に車を売るわけにもいかないですし、大きな改造も出来ません。
つまりは、残価設定ローンのデメリットを簡単にいえば、何かと面倒で総支払い額が高くなるということになります。
残価設定ローンの審査
残価設定ローンの審査は銀行などの低金利カーローンと比べて比較的緩めです。
この理由は、車の所有権を信販会社が持つことにより、車を実質的担保として信販会社が握っていることが主な理由です。
また、残価設定ローンは販売店側が用意するという点もあります。(銀行系カーローンを利用すると自分で用意する必要がある)
これらの理由により残価設定ローンの審査が比較的緩めであるということです。
残価設定ローンの金利
残価設定ローンの金利は普通のディーラーローンに比べて比較的低く、良心的なホンダの残クレであれば年利3.5%と、銀行系カーローンの一番大きな金利水準と変わりません。
その理由はここまで何度も説明してきたように、販売店側に顧客管理ができるという利益があるためです。
一般的にディーラーローンは販売店側でも利益があるために、高めに設定された金利でしたが、残価設定ローンの場合にはそれをとる必要はないということになります。
これらの理由により、残価設定ローンの金利は通常のディーラーローンより低くなり、メーカーによっては銀行系の水準まで金利が抑えられるということになります。
残価設定ローンは損なのか?
残価設定は損なのかどうか?という点について結論から言えば、残価設定ローンの満期日で車を取得することがわかっているならば、総支払額の点で損です。
この理由は設定した残価分の取り扱いによるところが大きいです。
一般的な理解では、「残価設定分については据え置くために利息がかからない」ということみたいですが、これは大きな間違いであり、「残価分は据え置くけども利息は払う」というのが正解です。
つまり、残価分は全く減らない元本と同じ扱いであり、利息が高くなる分だけ総支払額が大きくなり、車を取得するという場合には損というわけです。
したがって、残価設定ローンは損なのかといえば、あらかじめ車を取得するつもりならば、同等の金利条件であれば他のローンを使ったほうが良く、車を取得するつもりであっても月々の支払額を抑えるために致し方なく損を選ぶ、という状況になります。
残価設定ローンとリース
リース契約とは、一定期間について所有者に使用料を払って使用権を得る契約のことです。
残価設定クレジットはこのリース契約に似ています。
車を手放す予定で車を買うというのは珍しいことでしょう。
離婚を前提として結婚する人がいないように、車においても同じです。
ただ、結局のところいつかは壊れますし乗り換えることは予想できることですよね。
頻繁とまではいかなくてもある程度新しい車を乗り続けたいと考える人も少なくないでしょう。
そんな人にとっては非常に使い勝手のよい融資なのではないかと思います。
リースも最終的に買い取るものとそうでないものが存在するように、個人の車においてもこういったバリエーションが存在してもよいと思います。
車を手放す予定で乗る人は珍しいと書きましたが、法人においてはそうでもないのです。
ただ、つまるところリースと似ていますので結局手放す場合は使用料を払っていると考えるのが適切だと思います。
時間あたりや日あたりで車を借りるのがレンタカーのように、もっとまとまった期間において包括的に利用権を買うという契約でしょう。
「残価設定ローンのメリット・デメリット」:まとめ
使用料を払うだけと考えるとなんともむなしい気分になるのかもしれません。
ただ、車が壊れるまで乗るという方はほとんどいらっしゃらず、ほぼその前に車を売ってしまうのがほとんどでしょう。
そのため、現金などで一括で支払ったとして同じように売却したとしたら買った金額と売れた金額の差は使用料と考えてもよさそうです。
それが事前に分かっているか、もしくは突発的に発生するかの違いだけのように思えます。
結論として、残価設定クレジットの利用がオススメなのは、
- 金利面で不利な若年層の方
- ライフプランが決まっている方
- 月々の支払いを特に安くしたい方
逆に、あまり向いていないのは長く乗られる方はローンを使いましょう。
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