都市部に住むドライバーにとって雪道はなじみが無いものでしょう。
雪が降って積もったときはできれば運転したくないもの。
でも、どうしても車を出さなければいけない用事ならチェーンをつけることになります。
- タイヤチェーンの付け方を写真で全解説
- チェーンを簡単にきれいにつけるならジャッキアップするほうが早い
- 雪道を運転するときの注意しなければいけないポイント
こちらではタイヤチェーン付け方の手順と注意事項を見ていきたいと思います。
ページの内容
車タイヤチェーンの付け方
実は慣れていても結構難しいタイヤチェーンの取り付けですが、その原因はチェーンをつける経験の差のほかに、正しい付け方をしているかです。
普段から付けなれている積雪がある地域に住んでいる方にとっては日常的なものでも、都市部に住んでいる方にとってはかなりの重労働になります。
特にチェーン装着が難しいと感じる理由は、大きく重い車パーツに慣れていない方や装着がうまく出来ないときには命の危険があること、そして車を傷めてしまうということだと思います。
実はチェーンによって付け方がかなり変わってきます。
タイヤチェーンといっても金属製のものからプラスチック製・ゴム製のものまで現在では様々な種類があるのです。

こちらでは現在一般的になっているゴム製のチェーンで説明していきます。

タイヤチェーンを付ける手順
タイヤチェーンを付ける手順は次の順序で行います。
- 車の駆動輪の確認
- タイヤチェーンの向きを確認
- 車をジャッキアップする
- タイヤにチェーンをかぶせる
- チェーンの内側・外側をつなぐ
- タイヤにかぶせたチェーンを調整
- チェーンを張る
- 全体のバランスを調整して完成
こちらでは、ジャッキアップをする方法でチェーンを付けています。
実はチェーンをうまく付けられないというのは、一般的だと言われている転がし法によるタイヤチェーンを付ける方法をとっているためです。

なぜ転がし法でタイヤチェーンを付けることが難しいといえば、タイヤとチェーンがよじれてしまうので、全体の調整をする場合のバランス取りに運や経験が必要なためです。
ジャッキアップというと普段行わない方が多いと思いますが、それほど難しいことではありません。
当然、ジャッキアップのやり方と注意する点も解説していきます。
1、車の駆動輪確認
まずご自身の車の駆動方式を確認してください。
基本的には駆動するタイヤにチェーンを取り付けます。
つまりは動くタイヤにチェーンをつけることによって、「走る・止まる・曲がる」という機能を積雪状態でも発揮させるわけですが、駆動方式次第では前後全てにつける場合もあります。
駆動方式とエンジンの位置
駆動方式とは、車の動力を伝える車輪がどこなのかというものです。正確にはエンジンの位置と駆動するタイヤの種類を言いますが、表にすると次のようになります。
表記など | 駆動するタイヤ |
FR | 後輪(状況により全て) |
FF | 前輪 |
4WD | 全て(前輪だけでも可) |
MR | 後輪(状況により全て) |
4WDはどのタイヤにチェーンをつけるかということで判断が複数ありますがお勧めは前輪です。
後に話しますが、雪道では車を引っ張るほうが運転上安定するためです。
そのため、走るためにも止まるにもハンドルを切るにも有利な前輪がオススメとなります。
また、現在の車はほとんどFFである場合が多く、少し変わった車を買う以外はFFか4WDです。
ですが、FRやさらに珍しい駆動方式のMRの場合は雪道の運転をあきらめたほうが良いかもしれません。
FRやMRは雪道の運転が難しい
FRやMRに関しては後輪が駆動輪になるわけですが、積雪が激しいときには前にも装着したほうが良い場合もあります。
ただし、一番良いのはそのような厳しい積雪のときにはFRやMRは運転しないというのが一番でしょう。
雪道で後輪駆動の車を運転するのはとても難しく、事実タイヤチェーンは2輪分で販売されているケースが多いです。
そのこともあって、雪道で後輪駆動の車を運転するのは現在推奨できず、さらにチェーンが必要な積雪量では特にそうです。
チェーン装着時のちょっとしたコツ

ここで前輪に取り付ける場合にはハンドルを切ることで、タイヤ裏側が見やすくなりますので装着が簡単になります。
これは特にチェーンの裏側を止める場合にかなり見やすくなるのでおすすめです。
この車の場合にはそれほど問題ありませんが、タイヤとボディの間(タイヤハウス)が小さい車などでは、タイヤを傾けるだけで作業性が向上します。
このように、タイヤを傾けて装着するのは積雪がある地方に住む方にとっては常識かもしれませんが、都市部で普段チェーンをつけない方にとって「そういえばそうだな!」と、当たり前のことを当たり前に発見することになるはずです。
2、タイヤチェーンの向きを確認する

タイヤチェーンには表と裏、そして左右の違いがありますので注意してください。
チェーンの表と裏を付け間違えると、最悪チェーンが切れてしまうことになりますし、その前に付ける段階で苦労します。
また左右の違いを間違えるとチェーンを張ったときに、張るための余りが奥側に向いてしまうので、最初からやり直しになります。
チェーンの表と裏はチェーンを広げることで直感的にわかる場合がありますが、なかなか分かりづらいときにはスパイク部分が出ているのかを確認しましょう。

なお、金属チェーンの場合にはスパイク部分がないことが多く、表と裏が非常に分かりにくいこともあります。
その場合にはその場でチェーンをくんでみて違和感がないか確認しましょう。

チェーンの裏表を間違えている場合には、チェーンを張る部分や内側のつなぎ目がタイヤにかぶさるのが難しいとき、チェーンの表と裏を間違えている可能性があります。
次にチェーンの左右ですが、チェーンによっては右用・左用・と書いてありますが、向きが明確でない場合にはチェーンを広げてチェーンの張りを調整するあまりがどちらにあるかを見てください。
タイヤに向かって外側にチェーン張り部分があれば、その方向のタイヤに対応しているものであり、例えば左にチェーン張りがあるならば、左タイヤ用ということになります。
3、車をジャッキアップする

車のジャッキアップはあまり行う人は多くありませんが、実はタイヤがパンクしたときには出来なければ困りますし、やってみると分かりますがそれほど難しくありません。
- サイドブレーキをしっかりかける
- 車に積んである純正のパンタジャッキを探す
- 車のジャッキアップポイントを探す
- パンタジャッキを伸ばす
まず、車をしっかりと停車することが大切で、動いてしまうと車を故障させるばかりか、大けがの原因にもなりますので、しっかりとサイドブレーキを引きましょう。
注意点として、サイドブレーキを引くの重要性は車が動かないということで、土の上や不安定な場所でジャッキアップをしないようにしてくださいね。
次に車に搭載しているパンタジャッキを探します。
「えっ!そんなの見たこと無いよ!」という方も、自分で外していないなら大体の車についていますので、探してみましょう。

お世辞にも分かりやすい部分にあるとはいえず、日産セレナのジャッキが収納されている場所は「隠されている」と言ってもよいぐらいの場所でした。

パンタジャッキは、ジャッキ本体とドライバーのような付属品が2つあり、このように連結させて使うことで、効率よくジャッキアップをすることが出来ます。
ジャッキポイントの探し方
次にジャッキポイントの探し方ですが、車横部分の下側をのぞき込んでみましょう。

写真のように2点がくぼんでいる部分がジャッキポイントであり、持ち上げたときに車を壊さないように硬く作られた場所です。
裏側から見るとこの部分が頑丈に作られていることが分かります。

ジャッキポイントに対してパンタジャッキを垂直に設置し、パンタジャッキの間が空いている部分にジャッキポイントに合わせて車を持ち上げます。

あとはパンタジャッキ側面にあるねじを回すことで、車を持ち上げることが出来ます。

チェーンの設置が終わった後にジャッキアップを戻す際は、同様のことを逆順で行うだけです。
再度注意点を言えば、不安定な場所でジャッキアップをしたり、ジャッキアップ中にタイヤを動かすなどは、車を壊すばかりか大けがをする可能性があるのでしないようにしてくださいね。
4、タイヤの上からチェーンをかぶせる

寒いときにはここからが一番大変でしょうけど頑張りましょう。
何度も注意させていただきますが、チェーン横の金具が外側を向いていることを確認してください。
タイヤやタイヤ周辺の故障のみならず、チェーンやタイヤを壊してしまうと車を放棄しなければいけない状況や事故に発展しかねません。

何度も確認して絶対に間違えないようにしましょう。
転がし法だとよじれて面倒なチェーン調整ですが、ジャッキアップ法で付けると簡単に調整をすることが出来ます。
ただし、この時点ではまだチェーン全体を調整する必要はありません。

この後、チェーンをつなぐ作業をしていきます。
5、タイヤチェーンの内側・外側をつなぐ

かぶせたチェーンは内側と外側で止める必要がありますが、まずは内側をつなぎます。
タイヤの内側なので、作業するのが大変ですがここを越えれば半分終わりなので頑張りましょう。
チェーンの種類によって、フックでとめるものなどの個性がありますので、説明書を確認してください。
タイヤにしっかりとチェーンが付かなければいけないものなので、うまく付けらない場合はチェーンのバランスを調整するようにしてください。
次にチェーンの外側部分をつなぎます。

このチェーンは付属品としてつなぐものがありますが、チェーンだけでつなぐタイプのものもあります。
つないだ時にタイヤへ突起物が向いているなど無いようにしてください。

またチェーンに説明書が付いている場合にはそれを確認することが大切です。
6.チェーン全体のバランスを整える

チェーンを張る前にチェーン全体のバランスを整えます。
ここで重要なのは、この後にチェーンを張るのですが、張った後は微調整が難しくなるので、ここでバランスを調整することは重要です。
つまり、この時点で完成前の最終調整をするつもりで、チェーンのバランスを整えてください。
7、タイヤチェーンを張る

チェーンの側面部分を結束させることでチェーンを張ります。
これが不十分だと、走行中にチェーンがよじれてしまい外れてしまうばかりか、外れてしまったチェーンが車機械部分に絡まってしまって故障するという事例もあります。
ポイントとしてよじれがないようにしっかりと張るという点で、最終確認としてチェーンの表と裏があっているか確認しましょう。
チェーンの張る部分の金具が外側に向いているのが正解で、内側に向いている場合はタイヤを痛めて、最悪走行中にパンクをさせてしまう原因になります。
8、全体のバランスを最終チェック

最後にバランスよくチェーンがタイヤに張られているか、またチェーンの向きが裏表逆になっていないかを確認してください。
それで問題がなければジャッキアップを解除します。
以上でジャッキアップ法によるチェーン設置方法の解説を終了します。
タイヤチェーンの設置は転がし法が一般的ですが、むしろジャッキアップ法が一般的であり、実は簡単にきれいに設置できます。
ジャッキアップを普段するということも少ないこともありますが、それさえ克服してしまえばこちらのほうが楽なので、豪雪の真っただ中という状況以外は試してみてください。
タイヤチェーンの外し方
タイヤチェーンの外し方は付けたは、チェーンを付けた順番の逆を行うだけです。
- 車を安定した場所にしっかり停車する
- ジャッキアップする
- タイヤ横のチェーン張りを外す
- 内側・外側の金具を外す
- チェーンを外す
- ジャッキアップを解除する
タイヤチェーンは水を多く含んでいますので、専用ケースに入れておく場合も、あとで乾かすようにしましょう。
またすぐ使う可能性もあるので、温かい場所に置いておくと、また豪雪に見舞われてもすぐ設置ができます。
チェーンの消耗に注意
タイヤチェーンは消耗品です。
プラスチック製のものは金属製のものよりも耐久性が低いため、比較的すぐに切れてしまいます。
そのため、雪道でない場所を多く走った場合には消耗していないか確認しましょう。
消耗したチェーンは無いよりはマシかもしれませんし、実際に全く機能しないということはないでしょう。
ただし、走行中に切れてしまった場合には、運転自体も危険になりますし車にダメージを与えてしまう恐れもあります。
出来れば、チェーンをよく使うシーズンでは1回交換、そうでなくても3シーズンに1回は交換を検討したいものです。
タイヤチェーン設置の小技
雪道で冷えたチェーンを巻くのは大変苦痛です。
そのため、あらかじめチェーンを使う可能性があると分かっているときは助手席の足元にチェーンを置いて暖めておくと、チェーンを巻くときに楽になります。
私はトラックでこれを痛感しました。
ただでさえ、手がかじかんでしまうような寒い状況下でのチェーン装着を行うわけですから、チェーンを少しでも暖めておくと作業がとてもはかどります。
とはいえ、いつも準備しておくというのは現実的ではないかもしれませんので、スノーボードなどに行くなんていうときには準備しておけばよいのではないでしょうか。
もちろん、タイヤチェーンをつんでいるかどうか、または消耗していないかを確認することも忘れずに行ってくださいね。
タイヤチェーン装着時の運転方法
タイヤチェーンを装着するようなときは、ある意味で日常と異なると再認識してください。
普段から雪道運転を慣れている人ほど慎重に運転します。
そのため、周りに合わせて頑張ろうとせずに雪道に慣れる、慣れてもまだいつもより安全に運転しないといけないという心構えを持ってください。
基本的にオーバースピードのブレーキは間に合わないことが多く、車を走らせるときから調整が必要という認識を持ちましょう。
- エンジンブレーキを多用して走らせる
- フットブレーキは小さく踏んで速度を全区間で落としていく
- コーナリング中はブレーキの制御が難しい(強く踏むとスピンする)
アクセルワークも徐々に調整を行うような運転になるでしょう。
雪国では当然に皆さん安全運転をすると思いますが、都市部では周りが理解していないためにオーバースピードで走ることが多いです。
環境に合わせることも大事ですが、雪道ではマイペースが良いでしょう。
車チェーンの付け方:まとめ
最後にチェーンの装着ではないのですが、特に雪道に慣れていない方はスピードを出しすぎないでください。
都市部ではゆっくり走っているとあおられるようなシーンは少なくありませんが、積雪状態にあっては緊急事態ですから現地の人ほどゆっくり走ります。
ですので、一部例外的な人がいるかもしれませんが、雪道でゆっくり走ることはそれほど問題ではありません。
むしろ、雪道で事故が起こってしまうほうが問題でしょう。
このように、タイヤにチェーンを巻いて走ったことが無い人は絶対に無理してはいけません。
車の制御がいつもと異なりますので、特にスピードは出さないように気をつけてください。
チェーンの装着は簡単とは言いませんが、慣れると5分程度で終わることですから向きだけ間違えないように注意して装着を行いましょう。
なれない雪道ですが安全に運転できるように勤めてくださいね。
お役立ていただけたら幸いです。
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